1. HOME
  2. ブログ

ブログAlways blue skies behind the clouds

奄美市立中学校生徒の死亡事案に関する再発防止策について遺族意見書を提出しました。

 「平成27年11月奄美市立中学校生徒の死亡事案」に関する再発防止対策検討委員会における奄美市教育委員会の検証(途中経過)について、委員でもある遺族が市教委に対し意見書を提出しました。第三者調査委員会の報告公表以降の市教委の対応はまだまだ不十分であり再発防止に向けた気概を感じることができないからです。

 遺族のおもいは一つ。再発防止。もう二度と息子さんと同じような子どもを出さないこと,それが亡くなった息子さんの唯一の供養,生きた証になると考えるからです。皆さんもぜひ当事者として奄美市教委や再発防止対策検討委員会へ働きかけをして下さい。以下、遺族の要望を受けて意見書を掲載します。

(奄美新聞報道 http://amamishimbun.co.jp/2020/04/16/24286/

===========================================================

意見書

 「平成27年11月奄美市立中学校生徒の死亡事案」に関する再発防止対策検討委員会での議論経過、奄美市教育委員会(以下「市教委」という。)の検証(途中経過)を踏まえて、意見を改めて述べます。

 なお、同様の意見書を先月16日付で提出しているところですが、残念ながら市教委からは何らの反応や回答を頂いておりません。

 ついては、本意見書に対する市教委の回答を2020年5月15日までに書面にて私をはじめ各委員に表明して頂き、次回(6月2日)の第7回再発防止対策検討委員会の議論がより充実したものとなるよう準備をして下さい。

 

第1 「名ばかり・リーフレット」にならないために(第三者機関の設置)

 再発防止対策検討委員会の目的の1つに再発防止のためのリーフレットの策定が挙げられています。しかし、リーフレットの策定ありきでは意味がありません。「名ばかり・リーフレット」は要りません。

 平成27年当時、○○中学校にも「○○の教育」というマニュアル・指針(以下「マニュアル等」といいます。)がありました。その内容をみると、その内容が実践できていれば、息子が亡くなることもなかったといえるようなものです。

 つまり、マニュアル等はあるが、それが機能していなかった。それは、マニュアル等を周知していなかったからか。マニュアル等が実際の対応に対して使いづらいものだったからか。なぜ機能していなかったのか。市教委の検証が足りません。組織図や連絡体制図も実際に使えるように見直す必要もあるのではないでしょうか。

 またマニュアル等は、文科省の各指針やガイドライン等に沿って、定期的にレビュー(例えば年1回)をする必要があると思います。

 いくら良質なマニュアル等、またはリーフレットを作成しても、その内容が学校や市教委の現場で実践されているのか、それを定期的に第三者の視点で評価しないことには、本件当時にあった「○○の教育」のような名ばかりマニュアル、「名ばかり・リーフレット」となってしまいます。

 そうするとやはり、今回、再発防止対策検討委員会が作成するリーフレットの内容を実行するための具体的な年次計画を作成し、その進捗状況を定期的に確認、公表し、改善するシステムの構築が必要といえます。

 実際、兵庫県加古川市では、そうした計画が履行されているか否かをチェックする第三者機関(いじめ防止対策評価検証委員会)を設置しているところです。

 今後、検討委員会が再発防止策を提言し、それに基づき市教委や教育現場が再発防止策を計画し実行する際には、第三者機関(再発防止対策評価検証委員会)を設置した上で、検討委員会のリーフレットが「名ばかり・リーフレット」とならぬことが絶対条件だといえます。

 この点、市教委は兵庫県加古川市に職員を派遣して、同制度について調査を行ってきたと聞いています。その成果を報告すると共に、今後の計画(予算化も含む)を明らかにして下さい。

 

第2 広く共有するための施策の実施について

 第三者調査委員会は、「市教委は本事案を他人事ではなく自分事として受け止め直して検証し、その結果を奄美市内の小・中学校の教職員、保護者及び広く市民と共有できるようにすべきである」とある提言しています(報告書100頁)。

 第三者調査委員会の報告公表を受けて、私たち遺族は、市教委に対し、従前から本報告書に関する保護者会の実施、教職員研修での活用など具体的な事項を要望してきました。しかし、市教委はこれらの要望をはじめとする広く市民と共有する事項を一切実施していません。いつになれば、市教委はこうした取り組みを実施するのか。その内容と計画を示して下さい。

 さらに、再発防止対策検討委員会においても、議論の状況を広く市民と共有し、パブリックコメントなどのような市民の声を反映させさせる仕組みがありません。再発防止対策検討委員会においても、リーフレット完成後、その内容を広く市民と共有する仕組みについても議論をすべきです。

 

第3 アンケート内容の見直し

 アンケート内容が不十分です。アンケートに答える生徒の視点で分かり易く直截的なアンケートを実施すべきです。

 例えば、再発防止策に「教員の体罰や暴言、生徒の尊厳を損なう行動はなくなったか」の項目を設け、アンケート等を活用して、児童生徒の声が反映するようにしなければアンケートの意味がありません。

 

第4 「第6回再発防止対策検討委員会資料」として配布された資料について

 過日第6回再発防止対策検討委員会において「第6回再発防止対策検討委員会資料」(以下「本資料」といいます。)というものが市教委から配布されたところですが、本資料の趣旨、作成の目的、検討委員会において配布された趣旨を教えて下さい。

 本資料は、再発防止対策検討委員会の目的の1つである再発防止のためのリーフレットの素案という趣旨で配布されたのでしょうか。

 いずれにしても、本資料は少なくとも次のような点で本資料は甚だ問題があると言わざるを得ないところです。

 第1に、息子の事案が冒頭の趣旨をはじめ、ケース・スタディなどに何ら教訓として示されてないことです。再発防止対策検討委員会はもとより、配布された本資料は、息子のような事案を再発させないために実施されていることかと思いますが、過去の教訓を明示せずして、どうして再発防止が実行できると考えているのでしょうか。それとも、市教委は息子の事案の風化を望んでいるのでしょうか。

 第2に、冒頭の「生徒指導の在り方」には、 「児童生徒の問題行動が社会問題となる中で」とあり、本資料は全て児童生徒側に問題があり、その対応策についても取り組むことを目的としているように読めるところです。つまり、本資料は、息子の事案のように教員側の問題や学校や市教委側にその原因があることを想定していない資料といえます。

 この点、教職員側に原因があることの象徴的な事象といえる体罰の問題について、市教委は何らその対策や当該教員に対する懲戒や指導等について言及をしていません。

 私の息子の事案においても、第三者調査委員会は当該教育の指導に問題があった旨を明示している一報で、本資料にはそのような指導の問題について指摘していません。

 第3に、第三者調査委員会は、その報告書において、「生徒指導」ではなく「生徒支援」という考え方について提言を行っています。その内容は、息子の事案を教訓とした提言であって、十分に傾聴し実行するに値する提言だと評価しています。しかし、市教委は後述する検証でも然り、また本資料においても、「生徒支援」について検討採用することなく、漫然と従来どおりの「生徒指導」を押し出そうとしています。

 何故に、市教委は第三者調査委員会の提言を活かそうとしないのでしょうか。そもそも「生徒支援」という考え方を検討すらしていないのではないのでしょうか。

 

第5 市教委の検証(途中経過)に関して

1 第三者調査委員会の調査内容との齟齬

 三者調査委員会が指摘している事項(報告書68頁以下:市教委は一夜にして経緯を「いじめ」と断定したこと)について、市教委は相変わらず学校側の報告に問題があったとしています。この点、第三者調査委員会の報告と齟齬があるところです。

 この齟齬があることについて、市教委の検証経過が明らかでないことから、改めてその説明を求めます。学校が「いじめ」と報告した根拠を明らかにして下さい。

2 検証過程が見えないこと

 第三者調査委員会の提言は、あくまでも「当事者の立場で主体的に検証すること」(報告書100頁)であるところ、この提言は、検証結果が重要であるのみならず、その過程が充実してこそ、市教委の主体性や当事者意識が高まり再発防止策に血肉が通うことを期待しての提言だといえます。つまり、結果が全てでなく過程(プロセス)が大事だという趣旨だと読み取れます。

 ところが、本件検証文書を作成するにあたって、具体的にどのような検証や検討が市教委内部においてなされたのか、その過程が全く分かりません。

 単に市教委の限られた一部の者だけで本件検証がなされていたとすれば、それは再発防止に向けた検証としては、全く意味をなさないものです。どのような過程を経て本件検証文書が作成をされたのかを明らかにして下さい。

 少なくとも、遺族をはじめとする保護者、教員、その他の関係者などから、市教委が本件検証をするにあたって、新たな調査や聴き取りを実施したということは聞いていません。

3 主体生を欠いていること

 前記に関連するところではありますが、本件検証文書は第三者調査委員会が指摘した事項にのみ対応したものに限られている点をみると、市教委において何ら主体的自発的に本件を検証したことが全く窺えません。これは先述の検証過程が見えないことにも通じています。

 通常、主体的自発的に本件を検証したのであれば、第三者調査委員会が指摘した事項以外の問題点や改善点の検証が出てくるのが自然ではないでしょうか。

 それが顕出されていないということは、市教委内の一部でのみ結論ありきで本件検証文書を作成したことの証左ではないでしょうか。

4 検証がない事項・不十分な事項があること

 前記では第三者調査委員会が指摘した事項以外の検証がないことを問題視しましたところ、それとは反対に第三者調査委員会が指摘した事項について、市教委の検証がない事項や不十分な事項があります。

 第1に、調査報告書によれば名瀬中学校の「いじめ防止基本方針」には、「いじめ対策委員会」が設置され構成員が記載されているが、実際には「いじめ対策委員会」は独自に組織されておらず、いじめ対応は生徒指導委員会が行っていたとの指摘があるところ(報告書20頁)、市教委はこの事項について何ら検証をしていません。

 第2に、また調査報告書が指摘する情報共有の状況(報告書41頁)への検証もありません。市教委は、改善策として、情報共有と抽象的な標語を上げているところ、当時の情報共有の実態について検証がなされていません。そうした検証がなされない限り、全職員が情報共有できるシステム構築に今回の教訓や問題が活かされることはないといえます。

 第3に、調査報告書が指摘する管理的なルールや一方的な指導について(報告書36頁以下)の検証がなく、校則やルール(明文化されていないルールも含む)についての検証、見直しをすべきです。

 第4に、体罰や威圧的な指導があった場合には、当該教員に懲戒を含めて厳格に対応する旨の改善策が明記されていません。

5 スクールカウンセラーについて

 市教委の検証において、改善策の中で「SC(スクールカウンセラー)や養護教諭にも協力を仰ぐなど、組織で対応するという意識を高める。」という対策案が散見されます。

 このSCについて、調査報告書では、当時の名瀬中学校に配置されていたSCは心理の専門職ではなく小学校の元教員、SSWは社会福祉の専門的な知識や技術を有するものではなく、退職した元教員(元中学校校長と元小学校教員)であったと報告があります(報告書21頁)。

 そうであれば、現職教員とSCはその出自や専門性が同一である以上、多角的な視点、組織的な視点での対応は期待できないところです。つまり現職教員とSCは事実上同一であるといえ、このSCの実体を変えない限り(元教員等ではなく、生徒支援という目線で心理と社会福祉の専門家等を配置しなければ)、対策や改善策とは言えないといえます。

 名ばかりSCは要りません。現在配置されているSCの実体について明らかにした上で、第三者の視点及び社会福祉の専門的な知識や技術を持ったSCを設置すべきです。

 

第6 第三者調査委員会との協議の実施

 第三者調査委員会からの報告公表、提言を受けて,市教委の要田憲雄教育長(以下「要田教育長」といいます。)又は元野弘学校教育課長(当時)は,総じて「真摯に受け止める。」「真摯に受け止めている。」「遺族に対しては今後も丁寧に説明をしていきたい。」と述べてこられました。

 ところが、本意見書で述べたとおり、市教委が第三者調査委員会の報告を真摯に受け止めていると評価することは残念ながらできません。現状では、却って、そうした要田教育長らの言葉が軽く感じられてしまいます。

 では、なぜ、市教委は第三者調査委員会からの提言を未だに実行することができないのか。

 そこには、組織的な構造として、人員不足や教育行政の機関としての専門性が不十分という問題があるのかもしれません。それとも、あまり考えたくないところではありますが、実は、要田教育長をはじめ市教委の皆さんは第三者調査委員会の報告公表提言を真摯に受け止めていない(受け止めたくない)のか、はたまた息子のような事案の再発はやむを得ないとお考えなのかも分かりません。

 いずれにしても、市教委が再発防止の実現に躊躇している現状において、停滞している現状において)、それを市教委の一部職員だけで抱え込まずに外部の専門家や保護者をはじめとする地域住民の見識、経験を共有し、活用すれば良いのではないでしょうか。

 この点、専門家集団ともいえる第三者調査委員会は、その報告書にもあるように、市教委に対して協力を惜しまない旨を述べていることから、市教委においては積極的に第三者調査委員会との協議や研修の場を設ければ良いといえます。

 ところが、未だに市教委においてそのような機会を設けたとの報告を受けていません。いったい、いつになったら市教委は第三者調査委員会との協議等を持つのでしょうか。そうした機会を待たないというのであれば、その理由を明らかにして下さい。

 

第7 まとめ

 以上の遺族の意見について、その回答を2020年5月15日までに書面にて私をはじめ各委員に表明して頂き、次回6月2日の第7回再発防止対策検討委員会の議論がより充実したものとなるよう準備をして下さい。

                                                                                                              以  上

 

 

奄美事務所 対面業務制限についてご理解ご協力のお願い

対人援助を目的とする弊所としては大変心苦しいのですが、新型コロナウイルス対策特別措置法に基づく令和2年4月16日付緊急事態宣言及び奄美市内での感染例の発表を受け、新型コロナウィルス感染症予防のため、奄美事務所では皆様との対面業務を制限します。下記事項につき皆様のご理解ご協力の程を宜しくお願い致します。

〕莉蠅気譴進について

現在,お客様が来所される方法での法律相談等受け付けておりません。

法律相談等を希望される場合は、お手数ですが、弊所電話番号(0997−54−5588)又は弊所ホームページ経由にてご連絡下さい。

 

⇒絞慂等の受け渡しの用件にて,来所された方について

資料・郵便物等の受け渡しをご希望される方は、お手数ですが、当ビル1階にあります弊所郵便受け(そらうみ法律事務所)に郵便物等をご投函下さい。書留郵便等の対面による受け渡しが必要な郵便物については、随時、対応致します。

 

弁護士法人空と海 そらうみ法律事務所奄美事務所

インターンシップ生から感想が届きました。

2019年10月28日〜11月2日 奄美事務所でのインターンシップ

第73期司法修習生 横田 哲平

 

 羽田空港から約2時間、飛行機が高度を下げて雲を抜けると青く美しい海が広がっていました。東京で育ち、物心ついた時から田舎暮らしに憧憬の念を抱いてきた私は、1週間の島暮らしへの期待で、どこか浮き立ちながら奄美大島に降り立ちました。事務所のある名瀬までは空港からさらにバスで1時間ほどかかります。バスの車窓から景色を眺めていると、南国らしくサトウキビ畑が広がっていました。

 事務所では、弁護士と事務員の皆さんがあたたかく受け入れてくださいました。初日は法律相談に同席させていただきました。今回のインターンシップを通じて、何件もの法律相談を拝見しましたが、驚いたのは、かなり重要な契約についても口約束で済ませ、書面化していないケースが多いことです。長い付き合いの勝手知ったる者同士、信頼関係が極めて重視されているようでした。お互いの関係が良好な間はこうした口約束でも問題ないのですが、ひとたび紛争になった場合、契約の存在や内容を立証することが困難になります。紛争になった段階で相談に来たとしても、取ることのできる手段は限られてしまいます。こういったところに、奄美での活動の難しさがあるように思いました。

 翌日以降は調停や裁判にも同行させていただきました。奄美群島には、奄美大島にある名瀬支部と徳之島にある出張所の2か所しか裁判所がありません。そのため、出廷される依頼者の中にはわざわざ与論島から来られている方もいらっしゃいました。与論島から奄美大島までは、飛行機で約40分、1日1便のフェリーだと約8時間もかかります。経済的な事情からフェリーを利用される方も多く、その場合は1回出廷するごとに2日間が潰れてしまいます。1回の出廷に要する時間がせいぜい半日程度の都市圏と比較すると、実質的な裁判を受ける権利が不平等であることを強く感じさせられました。

 5日目と6日目は徳之島に伺いました。徳之島は奄美大島から飛行機で30分、フェリーだと3時間半ほどかかります。徳之島の伊仙町では、法律事務所まで行くことが難しい方のために定期的に出張相談が行われているそうです。徳之島では奄美大島以上にコミュニティの緊密さを感じました。島の入浴施設を利用していると、地元の方は私が島外者であるとすぐに見抜き、何をしに来たのかと声をかけてくださいました。弁護士が入った方がスムーズに進む問題にもかかわらず、相手方やコミュニティにおける関係の悪化を懸念してか、弁護士に依頼することを躊躇されている方もいらっしゃいました。このような地域においては、杓子定規に法律を適用するのではなく、将来の人間関係も踏まえ、より慎重に解決策を探っていく必要がありそうです。

 こうして島での1週間はあっという間に過ぎていきました。やはり奄美は青い空と海に囲まれた美しい島々でした。しかし一方で、低所得者が多いという経済的条件、口約束やコミュニティを重視する文化的条件、島が点在するという地理的条件が複雑に重なり、司法へのアクセスが著しく困難になっている現実も見えてきました。こうした問題に対して個人ができることには限界がありますが、島で出会った弁護士の方々は、それぞれが地域社会でかけがえのない役割を果たされていました。ほっとした顔で帰って行かれる依頼者の姿が深く心に残っています。自分の将来は不確定ですが、島の弁護士のように誰かに必要とされる存在になりたい、そう考えながら奄美を後にしました。

以上

空飛ぶ弁護士(搭乗回数1,000回を越えて)

 私は空飛ぶ弁護士です。  

 

 私の赴任先は鹿児島と沖縄の間に位置する全長200劼留眸群島。ここには8つの有人島,10万人の営みがあります。平和そうにみえる南の島といえども営みあるところに困り事があるのも現実です。他方,裁判所や法律相談に行くには1泊2泊は当たり前。弁護士は私を含めて6名しかいません。  

 

 長年,島人にとって弁護士や司法は遠い存在でした。さらに,シマには各々の文化,風土,歴史があります。書面の中だけで,法律や証拠をあてはめても本質的な解決には至りません。  

 

 こうした状況で私が採った取り組みは積極的に相談者や依頼者の住むシマに赴くこと。その結果,先日,8年間の赴任期間中の飛行機搭乗回数が1,000回を越えました。畑に分け入り泥だらけになる,台風でシマに取り残される,島口が分からないということも日常茶飯事です。反面,どこまでも碧い空と海が私を待ってくれています。  

 

 島人の全ての期待に応えることは出来ないものの,問題が解決したときは何物にも代えがたい喜びがあり,それまでの苦労も全て吹っ飛びます。そしてまた,私は空を飛び,海を越えてみようと思うのです。

 

(奄美事務所 弁護士 鈴木穂人)

インターンシップ生(奄美事務所)から感想が届きました。

 京都大学法科大学院修了生  岡本 共生  

 

 私は人の役に立ちたい,人のために働きたいという理由で法曹という職業に興味を抱きました。そして,3つある職業のうち,弁護士になるのであれば,その際には,弁護士の数が圧倒的に足りないが故に解決できるはずのことも解決されないといった不合理な状況を変えたい,そうでなくとも困っている人がいるのであればすぐに手を差し伸べ最善の解決を導きたい,と考えていました。  

 

 ところで,大辞泉で「街弁」を引くと,「《街の弁護士の意。「マチ弁」とも書く》個人で開業し、主に地域住民からの依頼を受ける弁護士。」とあります。弁護士になるなら「街弁」が近いのかな,いやいや企業相手であっても困っていることに変わりないし「街弁」にこだわる必要はない,このように「楽天的」に悩みながら大手事務所の就活をしていたところ,そらうみ法律事務所のインターンシップの存在を知り,他事務所でも行われているサマークラークと同様の感覚で応募に至ったというのが恥ずかしながら正直なきっかけでありました。  

 

 結論から言えば,今回のインターンシップは,「現実」を突き付けられ,「予想」を大きく覆すものであり,「現実」を知るとても貴重な機会でした。一般の人や進路に悩む法学部生,現在進路をあまり深く考えていないor考えないロースクール生がイメージする,まさに弁護士の職務に触れることができました。あらゆる社会生活上の問題に困っている人が街にいて,先生方が拾い上げ,解決する,まさに何でも屋としての街弁です。  

 

 加えて,弁護士過疎地域特有の問題として,「敷居を下げ」,弁護士を「お得に」感じてもらうべく取り組まれている姿に触れることもできました。弁護士にも様々な専門分野が存在しますが,まだ実務を知らない無知な時期だからこそ,一度でも自分の目に焼き付け,先生方や地域の方と触れ合う機会はとても有益であると強く思います。今回私はお世辞抜きに,予想を遥かに超える経験をさせていただきました。

 

 貴重なお時間を割いて未熟な私に多種多様な経験をさせていただいた,鈴木弁護士,菅野弁護士をはじめ事務局職員の皆様には本当に感謝しております。本当にありがとうございました。

2019年8月29日