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ブログAlways blue skies behind the clouds

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インターンシップ生から感想が届きました。

 2019年3月の5日間,陸前高田事務所にてそらうみインターンシップを行った一橋大学法科大学院3年の伊東信芳さんからインターンシップの感想が届きました。彼はそらうみインターンシップの第1号です。地元新聞社にも取材をして頂くなど受け入れる側としても良い刺激と経験になっています。https://www.iwate-np.co.jp/article/2019/4/1/51151

 

(以下,感想文)

 私がインターンシップに参加したのは司法過疎地域での弁護士とはどのようなものかということが、イメージできなかったので実際に肌で感じてみようと思ったからです。そもそも町弁が、どのようなものかわからない人が多いと思います。その一方で、企業法務を扱っている事務所は、積極的に事務所説明会等を開いているため、企業法務については知る機会は多いと思います。そのため、町弁を知るという機会においてもかかるインターンシップは貴重な経験でした。

 私が町弁においても、陸前高田事務所でインターンシップを希望した理由は、8年前に被災地でボランティア活動を行い、どのように町が変わったかということも知りたかったです。実際に、陸前高田市街地に入って思ったことは、年々被災地についての意識が薄れている中、ダンプカーや、作業員がたくさんいて、復興の途中であると痛感しました。陸前高田市は、弁護士が1〜3名しかおらず、弁護士の数が少ないです。そして、一般市民の人との法律相談に立ち会って、相談してきた一般市民が、弁護士の先生からアドバイスをもらっているときに、「弁護士がいてよかった」という言葉がすごく印象的で、弁護士に対する期待の高さが高いと感じました。

 司法過疎地域においては、事件屋という地域の有力者が、なんでも物事を解決するという場合があり、弁護士の敷居が高い場合があると事前に東京事務所で教えていただきました。そらうみ法律事務所は、一般市民の方が積極的に弁護士の先生方に相談している姿を見て、弁護士の敷居を下げるように活動されているということを実感しました。

 インターンシップで学んだことは、過疎地域において、法テラスが大きな存在となっていることを感じました。インターンシップにおいても、相談者の自宅まで伺って法律相談を行い、無料相談をすることが出来るといった点で、弁護士と一般市民の距離を物理的・心理的に縮めているということを学びました。

 また、実際に座学で学んでいることと生の事件記録を見てみると全然印象が違うと思いました。法科大学院生において離婚・相続などを問題で解くこともありますが、それはあくまでも問題を解くための問題であって、問題の事案には深さがありません。もっとも、生の事件記録を見ていると一つ一つの事件に背景があって、一つ一つの事件が自分にとって深く印象に残りました。これもインターンシップを経験しなければ感じることが出来なかったものだと思います。インターンシップを終えた後、より一層自分は過疎地域において弁護士活動を行いたいという強い気持ちにかられました。

 また理想の弁護士像としても、法的悩みを抱えているけど相談する人がいないといった人を少しでも減らせることが出来るような弁護士になりたいと考えるようになりました。インターンシップに行く前よりもインターンシップが終了した後に、より一層そのような気持ちになったのは、かかるインターンシップのおかげであると感じます。実際に見てみないとわからないことがあるのは事実です。インターンシップの感想を伝えて、より一層周りの友達も過疎地域における弁護士活動の役割について少しでも興味を持ってもらえるといいなと思います。

(一橋大学法科大学院3年 伊東信芳)