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ブログAlways blue skies behind the clouds

大川小学校訴訟について思うこと

陸前高田の瀧上です。

 

マスコミ各社により報道されていますように、大川小学校訴訟では原告勝訴の判決が出されました。
私も職業柄この訴訟の帰趨には関心を抱いておりましたが、今回、気になる点がありまして投稿することにしました。

 

この件では、当初の教育委員会や市の対応のまずさが、大きく世間の耳目を引きました。マスコミ報道も、その点に集中するきらいがあったと思います。そして、今回の原告勝訴の判決が出て、溜飲を下げる思いをした人も多いように思われます。

 

しかし、他方で、すでに様々な場所で述べられていることではありますが、この件は様々な教訓を残しています。
ハザードマップに関する問題、避難場所の指定・整備等に関する問題、学校における防災マニュアル整備や教員の育成等防災態勢の問題、学生・生徒に対する防災教育の問題、さらには市民の防災意識の問題等々、それぞれがとても大きな問題です。
こうした点の改善をはかり、どうやって再発防止に努めるかが、きわめて大きな課題として残されています。

 

法廷はこうした課題を扱う場ではありませんし、ましてや裁判官が再発防止策を考えることはありません。
また、この種の訴訟は、具体的状況に沿って、被害に対する予見可能性があったか否かを認定することが主たる目的になります。事実の解明も、こうした争点の判断に必要な範囲でなされます。本件で言えば、津波襲来何分前に防災放送があったとか、そういうことです。事件の全体像の解明は、そもそも目的外です。
訴訟は、はっきり言って、上記のような課題の解決にはほとんどならないのです。

 

この件の教訓によって、少しでも防災のあり方が良くなることを望まない関係者はいないと思います。
判決は一つの区切りにはなりますものの、さらなる課題の解決の取り組みが進むことを望んでやみません。

 

(陸前高田 弁護士 瀧上明)

東京大学法科大学院での公設事務所・スタッフ弁護士の活動紹介

去る10月6日、東京大学の法科大学院で、ロースクール生向けに、ひまわり公設事務所、法テラスのスタッフ弁護士の活動を紹介するガイダンスを行ってきました。


私の他、公設事務所・スタッフ弁護士の現役や経験者をスピーカーとして、公設事務所や法テラススタッフ弁護士の活動、やりがい、過疎地をはじめとするアクセス障害の解消に取り組むことの醍醐味、などを伝えてきました。

 

私自身、公設事務所に赴任した先輩弁護士から、現地での活動ややりがいを聞き、弁護士過疎地域での活動にあこがれ、公設事務所を志しました。後輩となるであろうロースクール生に、我々の活動や体験を伝え、それを聞いた方の中から、次世代の公設事務所弁護士が生まれていけば、我々の活動や思いは連綿と継承されていくことになります。そうした考えから、我々公設事務所の所長経験者や、スタッフ弁護士は、自分たちの活動や体験を積極的にロースクール生、司法試験合格者、司法修習生に伝えていく活動を続けています。

 

(弁護士 新谷泰真)

藍より青き空と海かな

 弁護士の鈴木穂人です。

 

 在間さんの報告にあるように10月14日(金)山羊島ホテルにおいて当奄美事務所の前身(日弁連等の公設事務所である末広町法律事務所)の定着式を開催して頂きました。ご出席頂いた皆様,祝言等を頂いた皆様には改めて感謝申し上げます。

 

 その定着式の場で,多くの方から励ましのお言葉を頂きましたが,その中でも一番心に残った句を私達法人の座標軸として残しておきたいと思います。私の師匠からの過分な言葉です。

 

 忘れっぽい私は改めて色紙に記してもらい,私の執務スペースの一番目に付くところに掲げています。この言葉に恥じないようにしなければと思う今日この頃です。

 

「麗しの 南の島に生まれしは 藍より青き 空と海かな」

 


 

(弁護士 鈴木穂人)

2016/10/01 日本災害復興法学会@石巻専修大学

弁護士の在間です。

 

今月の初めに、石巻市で開催された日本災害復興法学会の大会に行ってきました。

 

分科会では、私も会員になっている「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」のメンバーによる研究報告がありました。

「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」(通称:つくる会)は、その名の通り、一人ひとりの被災者が大事にされる災害復興法を作ることを目的に、災害復興に携わる実務家や研究者、NPOが協働して立ち上げた団体です。

 

今回の報告は、制度の隙間に埋もれてしまって救われない被災者が生まれてしまっている現在の法制度を改めて、被災者一人ひとりに応じた生活再建策を支援していく「災害ケースマネージメント」の導入をしていきましょう、という内容でした。

抽象的な問題提起に留まらず、具体策が示された中身の濃い報告でした。

 

(左から)報告者の山崎教授、津久井弁護士、吉江弁護士、菅野研究員、宇都弁護士

 

作戦会議中の登壇者ご両名

 

夜には、懇親会を開いていただきました。

陸前高田もそうですが、石巻も海が近くて魚が美味しいです。

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瀧上弁護士と吉江弁護士

 

 

石巻は、石ノ森章太郎と関わりが深いということで、街中のいたるところに石ノ森章太郎原作の作品のモニュメントがありました。

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サイボーグ009

 

 

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仮面ライダー(と瀧上ライダー)

 

 

(弁護士 在間文康)

2016/10/14 末広町法律事務所定着式

弁護士の在間です。

 

先週金曜日に、奄美大島にて、末広町法律事務所の定着式がありました。

末広町法律事務所は、鈴木穂人弁護士が2011年より赴任している公設事務所(ひまわり基金法律事務所)です。

5年半、鈴木弁護士は島の皆さんの生活を守るため、獅子奮迅の活動をしてこられました。本当にお疲れ様でした。

また、鈴木弁護士を支えてきた事務員の皆さんも、大変なご苦労があったと思います。本当にお疲れ様でした。

 

末広町法律事務所は、この10月3日をもって、定着し、私たちそらうみ法律事務所の奄美事務所に衣替えをしました。

これまで鈴木弁護士が築き上げた島の皆さんからの信頼をこれからもずっと寄せていただけるよう、そらうみチーム全員で、力を尽くしていきたいと思います。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

記者会見の様子

 

 

島唄に合わせた太鼓で喜びを表現する鈴木弁護士

 

 

二次会での鈴木弁護士のご挨拶

 

同期3名で記念撮影(左より在間、石田愛弁護士、鈴木弁護士)

 

(弁護士 在間文康)