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ブログAlways blue skies behind the clouds

3月11日 〜風の電話〜

今年もこの日が来ました。
もう7年も経ったのですね。当地ではあっという間だったという感覚をお持ちの方が多いかと思いますが、当職は、長かったなと感じています。

 

今日の岩手日報の全面広告「風の電話」は、良かったですね。
(ご存じでない方もおられるかもしれませんが、大槌町内に「風の電話」と名付けられた電話線の通っていない電話ボックスがあるのです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E9%9B%BB%E8%A9%B1)

 

実は、当職は、この「風の電話」の場所に行ったことがありません。
当職は、震災で多くの依頼者や元依頼者の方々が亡くなるのを見ましたが、ごく親しい間柄では亡くなった人がいませんでした。
そのような当職がこの「風の電話」の場所に行くことは、単なる物見遊山になってしまうような気がして、憚られていたのですね。

 

もし、当職のごく親しい人が亡くなっていたとしたら、おそらく、当職は岩手に戻ってくることも無かったと思います。そのような余裕は無かったでしょう。

その一方で、岩手に戻り、震災でごく親しい親族や友人を亡くされた方に接すると、どうしても、立ち入れない聖域のような部分があることを感じるのです。物理的には被災地の中心に飛び込んでみた自分の立ち位置と、現地で被災された被災者の方々との心の距離感とのギャップは、この7年間ずっと感じていました。
昨今、「寄り添い」という言葉が頻繁に聞かれますが、本当に寄り添うなどと言うことは、全く容易ではないのですね。
当職のような、比較的余力のあった人間として出来たことは、せいぜい汗を流すことくらいであったと感じています。

 

今日から震災8年目に入りますが、気持ちを新たにして汗を流したいところです。
今後も当事務所を宜しくお願い致します。

 

(陸前高田 瀧上明)

3月9日のNHK「おばんですいわて」に出演しました 〜緊急小口資金の特例貸付について〜

 

陸前高田の瀧上です
3月9日のNHK盛岡の番組「おばんですいわて」に出演致しました。

 

緊急小口資金の特例貸付という、あまりメジャーではない制度について意見を求められたのですね。
この制度については陸前高田でも知らない方が多数おられると思いますが、簡単に言いますと、災害が発生した直後、被災者に対し、原則10万円を限度に貸し付けることが出来るというものです。社協が窓口になりますが、貸付の原資は国や県から出ています。

 

では、なぜこの制度が問題かと言いますと、非常に未返済率が高いのです。
阪神淡路大震災の時は半分近く、東日本大震災の時は3〜4割が未返済になっています。それぞれ数十億円単位の未返済があり、これだけ多額の未返済があると、貸付の制度としては破綻状態にあると考えてよいと思います。

 

その割には、議論がほとんど進んでいないのですね。

当職は、個人的には貸付ではなく給付(つまり、返済義務のない渡しきりのお金)にしてもよいように思いますが、不正受給の可能性を考えると、社会的なコンセンサスは必須でしょう。
いずれにせよ、今後も大災害のたびに問題となる制度ですので、今のうちから議論を深めておくべきではないかと考えています。

 

ヨロン島での無料法律相談会

 去る3月3日、与論町役場のご協力を得て与論町中央公民館にて無料法律相談会を開催しました。鈴木・菅野のほか徳之島のうみかぜ総合法務事務所https://www.umi-kaze.jpの石本司法書士などにもご参加頂きました。この時期の開催は7回目です。

 今回も多くの方にご利用頂きました。飛び込み相談を希望する方もいらっしゃったほどです。平穏に見える南の島でも人の営みある限り、困りごと悩みごとはあり、今後も定期的な相談会の開催が必要だと感じています。

 そらうみ法律事務所では、今回の相談会を受けて4月末には改めて出張相談を予定しています。与論島にお住まいの方で出張相談を希望される方は気軽にご連絡いただければと思います。

 なお,法律相談会の翌日はこちらも恒例のヨロンマラソン。鈴木・石本さんはフル,菅野はハーフを出走。沿道の多くの方々からご声援をいただき,3人とも無事完走することができました。


 感謝の意味もこめて、来年も必ず法律相談会開催とフルマラソン完走を誓っています。とうとがなし。


(奄美事務所)


岩手日報に掲載されました

 

当職のインタビュー記事が、3月2日版の岩手日報に掲載されました。


震災7年を経た被災地の法的な問題点を、詰め込めるだけ詰め込んだような記事です。本当はもっとたくさん言いたいことはあるのですが・・・

 

結構、重要な指摘もさせていただいたつもりです。
例えば、国は「原状復旧」を非常に厳格に捉え、発展的な復興を阻害しているのではないか、とか、法律そのものが平時を予定しており緊急時には緊急時に即した仕組みが必要ではないか、等です。

 

震災7年を経て、そろそろ、東日本大震災の災害対応、復旧復興の振り返り、そして、これからの災害への教訓のまとめをしてゆく時期に入ってきているのではないでしょうか。

 

(陸前高田 瀧上明)