今年もこの日が来ました。
もう7年も経ったのですね。当地ではあっという間だったという感覚をお持ちの方が多いかと思いますが、当職は、長かったなと感じています。
今日の岩手日報の全面広告「風の電話」は、良かったですね。
(ご存じでない方もおられるかもしれませんが、大槌町内に「風の電話」と名付けられた電話線の通っていない電話ボックスがあるのです。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E9%9B%BB%E8%A9%B1)
実は、当職は、この「風の電話」の場所に行ったことがありません。
当職は、震災で多くの依頼者や元依頼者の方々が亡くなるのを見ましたが、ごく親しい間柄では亡くなった人がいませんでした。
そのような当職がこの「風の電話」の場所に行くことは、単なる物見遊山になってしまうような気がして、憚られていたのですね。
もし、当職のごく親しい人が亡くなっていたとしたら、おそらく、当職は岩手に戻ってくることも無かったと思います。そのような余裕は無かったでしょう。
その一方で、岩手に戻り、震災でごく親しい親族や友人を亡くされた方に接すると、どうしても、立ち入れない聖域のような部分があることを感じるのです。物理的には被災地の中心に飛び込んでみた自分の立ち位置と、現地で被災された被災者の方々との心の距離感とのギャップは、この7年間ずっと感じていました。
昨今、「寄り添い」という言葉が頻繁に聞かれますが、本当に寄り添うなどと言うことは、全く容易ではないのですね。
当職のような、比較的余力のあった人間として出来たことは、せいぜい汗を流すことくらいであったと感じています。
今日から震災8年目に入りますが、気持ちを新たにして汗を流したいところです。
今後も当事務所を宜しくお願い致します。
(陸前高田 瀧上明)